インタビューVol.7 「独りで悩まないで!」発達障害と向き合いながら女性特有の悩みを救う救世主(「Ainana」山内早織さん)


2023.10.4

Vol.7
「Ainana」
山内早織さんを聴かせて!

作家さんのインスタグラムを見てみる!

(写真:山内さんの作品)

 

 「子宮の専門家になりたいです。」

生理やそれに伴う不調、かゆみやメンタル面、更年期……。女性特有の悩みを抱える人は多い。しかしそのことは大っぴらには話しにくい風潮がある。お困りの方も多いのではないだろうか。

「Ainana」山内早織さんの主な作品は布ライナーや布ナプキンなど「子宮」に関わる物だ。布製生理用品の認知度は高まっており、それをハンドメイドしている作家は多い。その中でも山内さんは自身の作る布製生理用品に絶対の自信があるという。

「こだわりでは負けない。使ってくれた方は必ず気に入ってくれる。」そう断言する。

そんな彼女、実は発達障害を抱えている。普通のことが普通に出来ない。そのため自信が持てない時期が長くあった。

彼女を変えた、そして多くの女性たちを救った、”彼女ならでは”のハンドメイドに迫る。

 

(写真:こだわりの技法「びわの葉染め」の様子)

 

 山内さんは元々、編み物が好きでよく子どものために作品を作っている主婦だった。パートをしながら趣味として。しかし、ある時山内さんは自身が発達障害を抱えていることを知る。自身の障害を知った時は、やはりな、と思ったのと同時にほっとしたそうだ。

「今まで”普通”に出来なかったことには理由があった。」計画的に物事を進められなかったり、片付けが出来なかったりすることも怠慢ではなかった。救われた気がした。

就労支援に通い始めた時、山内さんは特技を発見する。就労支援の職員さんが山内さんの手先の器用さに驚き、褒めてくれたそうだ。「自分では当たり前だと思っていたので、特技だったんだ、と驚きました。自信が持てるかもしれない、と思いました。」

それまでは自分に自信が持てなかったという。その後、山内さんは旦那さんの理解も得ながらハンドメイド作家として活動を始めた。最初は他の物を作っていたが自身も悩みを抱えていた”子宮に関するもの”を作り始めた。素材の肌触りに徹底的にこだわり、モニターさんと一緒に布選びをした。そして山内さんの製品は「びわの葉染め」というこだわりの技法でさらに肌ざわりを良くしているという。

妥協を許さないこだわりで、山内さんの作る生理用品は評判を集めている。「こだわりでは負けません!勉強していますから。」自信を持ってそう語ってくれる。

  

(写真:イベント出店時の様子)

 

 実は、山内さんのお子さんも発達障害が見つかったそうだ。また、発達障害の子どもの中には生理を理解することが難しい子もいる。多くの場合は母親が生理の世話をするが、布製生理用品を使うと生理の状態が分かりやすく、異常を発見しやすいのだという。

自身も、我が子も発達障害を抱える立場から、「悩む母親達の為のサロンを作りたい」と山内さんは語る。当事者や当事者の親という立場でしか分からないことがある。そして、悩む当事者と親の助けになりたい。彼女の志は高い。

 

 (写真:彼女の作品)

 

 みなさんに伝えたいことは?そう尋ねたら彼女はこう答えてくれた。

「悩んでたらぜひ相談して!」独りで悩まないで……!

それは発達障害という運命を背負った彼女が一番声を大にして伝えたいことであろう。どんなに生きづらさを抱えていても、周りから怠惰な人と勘違いされても、自信を失ってしまっても、自分の得意や好きを活かして認められることがあればきっと輝ける。だから、「独りで悩まないで!」きっと彼女の作品は、女性を悩みから救うだけではなく、多くの人の希望になるだろう。

きっと、今まで沢山辛かっただろう。しかし「もう、先には希望しかない。」そんな様子にも見える彼女の語り。自信に満ちた彼女のこれからの活躍から目が離せない。私も全力で応援したい。そして布製生理用品、とてもとても気になっている…!

 

(インタビュー・執筆:戸田のり実)

 

 

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